Journal of Physics D: Applied Physics(IF:3.2)に論文が掲載されます。

論文発表

Two-dimensional electron density imaging of nanosecond-pulsed arc plasma in supercritical CO2
J. Phys. D: Appl. Phys., Vol. 18, No. 25, 255203, 2025.
T. Furusato, M. Sasaki, Y. Inada

古里
古里

超高密度な超臨界CO2プラズマを“視る”新技術!

  • 私たちは「超臨界二酸化炭素(CO₂)」という、液体と気体の中間のような特殊な状態を使った新しいプラズマ技術を研究しています。超臨界CO₂は、電気絶縁や環境負荷の低減に役立つと期待されていますが、これまでその中で発生するプラズマの詳しい性質はほとんどわかっていませんでした。
  • 今回の研究では、超高速(ナノ秒単位)のパルスアーク放電によって発生した超臨界CO₂中プラズマの「電子密度」を、世界で初めて二次元的に可視化することに成功しました。これには、光の歪みをとらえる特殊な光学センサー(シャック・ハルトマンセンサー)を使っています。
  • 超臨界CO₂中のプラズマでは、電子密度が非常に高く(1立方メートルあたり10²⁶個)、通常の真空や大気中のプラズマよりも桁違いに密度が大きいことがわかりました。また、電子密度がゆっくり減衰する特徴も見つかり、これは超臨界状態特有の熱的な性質が影響していると考えられます。
  • この成果により、超臨界CO₂を用いた新しい放電技術の設計やシミュレーションに役立つ貴重なデータが得られ、将来的には環境に優しい高電圧機器や新素材製造プロセスの開発につながることが期待されます。

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