Analysis of Ozone Decomposition Rate for Evaluating Surface Partial Discharge Activities in Large-Scale Industrial Motors
IEEE Trans. Dielectr. Electr. Insul.,2025. in press
T. Furusato, K. Matano, T. Okamoto, R. Ikeda, T. Yamada, and T. Yamashita

古里
大型モーターの健康診断を「オゾン」で!
- 私たちの身の回りには、大規模な工場や発電所で使われる巨大なモーターがあります。これらのモーターは、社会インフラを支える重要な設備ですが、長年使い続けると内部の絶縁材料が劣化し、突然の故障を引き起こすリスクがあります。これまで、こうした故障を防ぐためには、定期的にモーターを停止して内部を検査する必要がありました。しかし、これでは生産ラインが止まるなどの大きな負担がかかります。
- 私たちの研究では、モーターの「外側」から状態を把握する新しい診断方法を提案しています。その鍵となるのが「オゾン」です。モーター内部の絶縁材料が劣化すると、「部分放電」と呼ばれる微小な放電現象が起き、オゾンが生成されます。オゾンは空気中に拡散するため、その濃度をモニタリングすることで、モーター内部の劣化具合を推定できます。ただし、オゾンは非常に分解しやすく、湿度や温度、内部の風の流れなど、さまざまな条件で濃度が変わります。私たちの研究では、オゾンの分解の速さ(分解係数)を詳しく調べることで、より正確にモーター内部の「健康状態」を評価できるようにしました。
- この技術により、モーターを止めずにオンラインで状態を監視できるため、予防保全や突発的な故障の回避に役立つと期待されています。今後、より安全で持続可能な社会インフラの実現に貢献していきます。
コメント