New Journal of Chemistry(IF:2.7)に論文が掲載されます。

論文発表

私たちが日々使う薬や化粧品には「ペプチド」と呼ばれる小さなタンパク質の一部が含まれています。これを作るためには通常、有機溶媒という環境に負担の大きい化学薬品が必要です。しかし、私たちの研究では、環境に優しい新しい方法でペプチドを作ることに成功しました。この方法では、「パルス放電プラズマ」と呼ばれる技術を使い、水に少し酸を加えた溶液中で反応を進めます。

具体的には、アラニンというアミノ酸を元にした特別な分子(アラニン–DKP)から、わずか3~20分で約30%のペプチド(アラニンが3つ連なった分子)を作ることができました。また、アラニンが2つ連なった分子を加えると、さらに大きなペプチドが作りやすくなることも発見しました。

さらに、分析の結果、別のアミノ酸(グリシンやグルタミン酸など)やそれらの関連分子も少量作られていることがわかり、これがペプチドが自然に伸びる仕組みのヒントになる可能性があります。この研究は、生命の化学的な進化や、地球環境に優しいペプチド製造方法の開発に役立つ新たな知見を提供します

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