Development of Insulation Degradation Diagnostics for Large-Scale Industrial Motors using Ozone Concentration
IEEE Trans. Dielectr. Electr. Insul.,2025. in press
T. Furusato, K. Matano, T. Okamoto, R. Ikeda, T. Iwanaga, and T. Yamashita

古里
オゾン発生量に基づく大型モータ絶縁劣化診断技術の開発
大型産業用モータの絶縁劣化は、重大故障や長期停止の主要因の一つです。
従来は定期点検や部分放電(PD)測定によって劣化評価が行われてきましたが、
- オフライン検査が必要
- 劣化進行度の定量評価が難しい
- 環境条件による測定値変動が大きい
といった課題がありました。
本研究では、外部部分放電によって生成されるオゾンに着目し、オンラインで絶縁劣化を評価する新しい診断手法を提案しました。
技術の特徴
本手法では単純な「オゾン濃度」ではなく、
- 実機で測定したオゾン分解特性(筐体衝突による分解が支配的)
- 温度・湿度依存性の理論モデル化
- オゾン濃度から発生量への変換
- 湿度補正済みPD活動指数への換算
- 絶縁劣化指数へのマッピング
という段階的処理を行います。
これにより、従来のオゾン濃度ベース診断と比較して、
劣化評価のばらつきを最大14.6%低減できることを実機データで確認しました。
導入メリット
- モータ停止を伴わないオンライン監視
- 季節変動(湿度)の影響を補正した安定評価
- 劣化進行トレンドの可視化
- 適切な点検時期の判断支援
- 過剰保全・突発故障の抑制
特に10年以上稼働している大型モータにおいて、
季節ごとのオゾンモニタリングと併用することで、
劣化レベル2~3の段階で計画保全判断が可能になります。
今後の展開
- 実機データの蓄積による予測精度向上
- IoT化・遠隔監視システムとの統合
- AI解析との組み合わせによる高度診断
本技術は、既存設備を活かしながら信頼性を向上させる、
現実的かつ導入可能性の高い診断手法です。




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