IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation(IF:3.1)に論文が掲載されます。

論文発表

Development of Insulation Degradation Diagnostics for Large-Scale Industrial Motors using Ozone Concentration
IEEE Trans. Dielectr. Electr. Insul.,2025. in press
T. Furusato, K. Matano, T. Okamoto, R. Ikeda, T. Iwanaga, and T. Yamashita

古里
古里

オゾン発生量に基づく大型モータ絶縁劣化診断技術の開発

大型産業用モータの絶縁劣化は、重大故障や長期停止の主要因の一つです。
従来は定期点検や部分放電(PD)測定によって劣化評価が行われてきましたが、

  • オフライン検査が必要
  • 劣化進行度の定量評価が難しい
  • 環境条件による測定値変動が大きい

といった課題がありました。

本研究では、外部部分放電によって生成されるオゾンに着目し、オンラインで絶縁劣化を評価する新しい診断手法を提案しました。

技術の特徴

本手法では単純な「オゾン濃度」ではなく、

  1. 実機で測定したオゾン分解特性(筐体衝突による分解が支配的)
  2. 温度・湿度依存性の理論モデル化
  3. オゾン濃度から発生量への変換
  4. 湿度補正済みPD活動指数への換算
  5. 絶縁劣化指数へのマッピング

という段階的処理を行います。

これにより、従来のオゾン濃度ベース診断と比較して、
劣化評価のばらつきを最大14.6%低減できることを実機データで確認しました。

導入メリット

  • モータ停止を伴わないオンライン監視
  • 季節変動(湿度)の影響を補正した安定評価
  • 劣化進行トレンドの可視化
  • 適切な点検時期の判断支援
  • 過剰保全・突発故障の抑制

特に10年以上稼働している大型モータにおいて、
季節ごとのオゾンモニタリングと併用することで、
劣化レベル2~3の段階で計画保全判断が可能になります。


今後の展開

  • 実機データの蓄積による予測精度向上
  • IoT化・遠隔監視システムとの統合
  • AI解析との組み合わせによる高度診断

本技術は、既存設備を活かしながら信頼性を向上させる、
現実的かつ導入可能性の高い診断手法です。

コメント