Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(IF:9.1)(Q1:MULTIDISCIPLINARY SCIENCES)に論文が掲載されます。(医学部共同研究)

論文発表

Abdominal ultrasound activates afferent vagus nerve fibers and induces anti-inflammatory effects
Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.,vol. 123, no. 7, e2518969123, 2026.
K. Shimoyama, M. Tanida, J. Aruga, T. Furusato, C.-H. Wu, Y. Nakamura, D. Takahashi, G. Kanzaki, A. Maeda, T. Shioya, N. Tsuboi, C. Abe, T. Yokoo, R. Umene, T. Inoue

古里
古里

腹部への超音波で炎症を抑える仕組みを解明

私たちは、お腹に当てた超音波が体の炎症を抑える神経回路を活性化することを明らかにしました 。

超音波はこれまで主に「画像診断」に使われてきました。しかし近年、超音波には炎症を抑える働きがあることが分かってきました。ただし、「なぜ効くのか」という仕組みははっきりしていませんでした。

本研究では、マウスを用いた実験で、腹部に超音波を当てると血液中の炎症物質(TNF-α)が減少することを確認しました。

さらに詳しく調べたところ、超音波は「迷走神経」という体の中の重要な神経を刺激していることが分かりました。

迷走神経は、脳と内臓をつなぐ情報の通り道です。
今回の研究では、

  1. 超音波で迷走神経が活性化すること
  2. その信号が脳へ伝わること
  3. その結果、免疫細胞の働きが変わり炎症が抑えられること

を順番に証明しました 。

これは、体の中にある「炎症を抑える神経の反射回路」が、超音波によってスイッチオンになることを意味します。

手術や電気刺激を使わずに、体の外から安全に炎症をコントロールできる可能性があります。将来的には、腎臓病や自己免疫疾患など、炎症が関わるさまざまな病気の新しい治療法につながることが期待されます。

コメント